やがて新芽が生える

やがて新芽が生える


先に出産を経験した友人達は、確かに口を揃えて言っていたんですよね。
「抜けるよ」と…。
それでも人間不思議なもので、心のどこかで「自分は大丈夫なんじゃないかな?」なーんて思っていました。
さてそんな私も陣痛時間33時間という地獄を乗り越え、出産しました。
なかなか出ない母乳。だんだん鬱のようになり、ただただ涙が出る入院生活。
婦長さんが様子を見に来るなんて日もありましたが、どうにか退院する日までには母乳量も増え、子供が1歳になるまで完全母乳でやり切りました。
気づいたのは産後、2ヶ月くらいからだったでしょうか。
浴室の排水溝がやたら詰まる。
蘇る友人の声。
聞けば母乳育児はとりわけ抜け毛が多いとのこと。
あんな想いして出産頑張って、母乳のためになるべく身体に良いものを食べようと努力し、その母乳も不眠不休状態。
そんな身体に追い打ちをかけるように、女の命ともいえる髪の毛がスコスコ抜けていくなんて…。
どれだけ厳しいんや!
と叫び出したい気持ちになりましたよ。
私はただでさえ髪の量が少なく、毛質も細くてボリュームがあまり出ないタイプだったので、内心焦りました。
間違いなく禿げる。でもどうせなるなら瀬戸内寂聴先生のようになりたい。
美容院にやっと行け流ようになったのは、産後6ヶ月くらいだったでしょうか。
仲良しの美容師さんに訴えると、「大丈夫、絶対生えるから」とにっこり励まされましたが、
やはりダメージは最小限に抑えるために、抜け毛が終わるまでパーマもカラーもご法度と言われました。
女性にとって、髪のトラブルというのは本当に気が滅入ることです。
結局この恐怖の抜け毛は私の場合断乳するまで続きました。
もう少し早く終わる人もいるそうなので、人それぞれだと思います。
ホルモンバランスも原因ですが、髪が傷んで、ブラッシングなどの際にひっかかって、それもまた抜け毛の原因にもなっていたようです。
さて抜け毛は落ち着いてきたかな、という頃。
朝髪の毛を整えていると、何だか髪がボサボサして見える…。
ヘアスプレーをしても、全然決まらない。
頭をよく見てみると、短い髪がツンツンと生えてきているではありませんか。
頭の中で、映画もののけ姫のラストのシーンが蘇りました。
あぁちゃんと髪の毛って生えてくるんだなぁと、しみじみ感動しましたが、
ここからこの新芽が生えそろうまでの間が、これまたカッコ悪いということに気づくまで、そう時間はかかりませんでした!
娘も間もなく3歳。
今は私もパーマしたりヘアアレンジしたり、あの冬の時代が嘘のようです。
抜け毛もお母さんの勲章ですよね。
渦中にいる時は絶望しかありませんでしたが、大丈夫です。ほんとに生えます。

産後 抜け毛